背表紙、ナミさんの後ろ頭。……いや、いいんだけど……地味だな。
せめてうなじを!(変態か)
第522話
タイトル「死に至る病」
キルケゴールかよ。
……普通は、「絶望」を意味する言葉だけどなあ?今更絶望?
CP9の任務外報告28「騒ぎは故郷へ持ち込ませない」。
殺到する海兵たちの前にたちふさがる7つの影(+ハットリの影)。
ウシだのキリンだのオオカミだのヒツジだの。やっぱり動物園に就職しろよおまえら。
つーか、だからその「故郷」は政府の施設じゃないのかよー?
なんかすっかりかわいくなった蛇姫さまは、出航を翌朝と定めた。
「今夜は航海に向けて骨を休めておけ」
うん、船長、戦いに文字通り骨使うしね!
……その夜。
九蛇城は、宴に沸いた。(あれ、骨休めは?)
「だからよおめーら、くーだよっ!!くー!!」
ルフィは、アマゾン・リリーの乙女たちに、ダンスを伝授。
もちろんあの、鼻に割り箸をつっこむやつだ(笑)
見てるかヨサクー!きみの踊りは、いま世界に羽ばたいているぞー!
「男はおハシを鼻から口へつっこみ…ザルを持って…」
相変わらず記録されてます(笑)
しかしふと思ったが、この世界、どこに行ってもあるのねハシ(笑)
風船のようになってみせたり、名物「海王類入りペンネゴルゴンゾーラ」をいただいたり、よってたかってつつきまわされたり、挙げ句の果てに「1タッチ20ゴル」と商売をされたり(笑)、女たちに追いかけ回され大人気のルフィ。
「触らせて〜v」
「つっつかせて〜v」
「ルフィ様〜v」
……ほんとにミーハーと言うか、ノリがいいよなここの国民どもは(笑)
ついに摂食にさえ支障をきたしたルフィは、でかい肉のかたまりを確保して宴席から脱走。助けてくれたのは、マーガレットだった。
「……よかったね、仲間のところに帰れることになって」
「ん?ああ…なんかお前、いろいろ迷惑かけて悪かったなァ。石になったときはびびったよ」
「──でも庇ってくれたんでしょ?私達の事…いろいろ聞いたわ。ありがとう!ルフィ」
おお、もう名前呼びか、マーガレット。やっぱり彼女も可愛いなあ笑うと。
マーガレットは、ルフィをニョン婆さまのところに匿った。
「おー!豆バーさん!」
「おぬし!豆て!!!……食糧持参か…茶でもいれてやりニャさい」
さすがはもと女帝、村はずれとはいえけっこういい家に住んでいる。
マーガレットに茶をいれさせて、新聞を広げる彼女の姿に、ちょっとだけルフィは興味を覚えた模様。
「バーサン新聞好きなんだなー」
「カームベルトにはニュース・クーが来んニョでな…なかなか手に入らニュが…わが国の皇帝が七武海である以上、この世の情勢くらい知っておかねばまずかろう」
「七武海??誰が?」
…!そういえば知らなかったのか……!!!
「蛇姫じゃ」
「ええェ〜〜〜〜!!!…あいつ…七武海!?じゃ…戦ったらスゲー強ェのか!?」
※ルフィの知ってる七武海
ミホーク(手も足も出ず)/クロコダイル(死にかけ)/モリア(死にかけ)
くまのことは七武海と知ってるかどうかわからないが、やっぱり手も足も出ず。
「新聞ニャど読んどらんニョか」
「おォ…読んどらん…あー驚いた」
ニョン婆さまの語る蛇姫略歴。
・皇帝即位ならびに船長就任は11年前
・最初の遠征で、八千万の賞金がつく
・九蛇の悪名+実力を警戒され、中枢は即刻スカウトしてきた
ふーむ。すると、先回の計算に少なくともプラス1歳かな。帰国してから最低11年は経ってるわけだから、最年少でも27歳。
「だが今やその称号も剥奪の危機」
再び、ルフィの絶叫が響き渡る。
「ちょちょちょちょちょっと待てよ、色々一気に聞きすぎた。七武海と海軍本部が、白ひげ海賊団と戦う!?何だそれどうなるんだよっ!!」
「呆れた男じゃ…無知にも程がある!!──ただその話はな、あくまで予測じゃ。しかし十中八九戦いは起こる!!世界政府は打って出たのじゃ…白ひげは、仲間の死を決して許さぬ男。それを知ってなお…」
「白ひげの優秀な部下、ポートガス・D・エースの公開処刑を発表した……!!」
そう。
ルフィは、知らなかったのだ。
兄が命の危機にあるとは知っても、具体的にそれがどういうことなのか、まったく知らなかった。
だから、彼を救いに行く事など考えもしなかった。
……だが。
「…!…誰?」
「エース…火拳のエースじゃ」
「どうしたの?」
「エースが処刑!?」
黒ひげがエースを討ち取って七武海入りし、政府はその身柄を利用して…と説明しようとしているニョン婆さまの肩を、ルフィはつかんだ。
「兄ちゃんなんだよ…!!エースはおれの兄ちゃんなんだ!!!」
「捕まってたなんて知らなかった…処刑って何だよ!!もう逃げられねェじゃねェか!!」
事情を聞き、ニョン婆さまも表情を暗くする。
「この戦いに白ひげが勝てば、救われる道もあろうがニョう」
「どうしよう…!!公開処刑ってどこでやるんだ!?」
「海軍本部を有する町、マリンフォードの広場…一週間後とあるニョで、今から実質六日後か」
「えー!!?…すぐじゃんか!!!」
ここから、シャボンディ諸島までは船で一週間以上。
そちらに向かえば、仲間たちと再会する前に、エースの方は全て終わってしまう。
「ここからエースのいるとこまでは!?」
「幽閉中のインペルダウンへじゃと…海賊船なら一週間、海軍船なら四日」
ニョン婆さまの説明によれば、「エニエス・ロビー」「インペルダウン」「マリンフォード」の三つの要所は、海軍専用の海流によって繋がれ、ほぼ正三角形の位置関係にある。ちなみにアマゾン・リリーはインペルダウンと同じくカームベルトにあるが、直線距離的にはエニエス・ロビーに近い。
それぞれの要所にある「正義の門」を開閉することによって海軍船は海流に乗り、それぞれの場所に到達できる。
海賊船は、その海流を避けねばならないので、どうしても遠回りになるのだ。
「どうしたらいいんだ…」
「どうしたいのじゃ」
問いかけに答えず、ルフィは帽子からエースのビブルカードを取り出す。小さな音を立てて焦げ続けるそれは、すでに指先ほどの大きさになっている。
(ちなみにニョン婆さまは、ビブルカードの知識あり)
「エースにはエースの冒険がある!!強い兄ちゃんをおれが助けたいなんて…エースに怒られるだけだ」
──できの悪い弟を持つと…兄貴は心配なんだ──
「──でも」
思い返すのは、アラバスタで別れたときのエースの笑顔。
そして、大事な仲間たちの笑顔。
「悪いみんな……!!おれちょっと寄り道してくよ!!おれエースを助けに行きてェ!!」
「それがどれ程無謀な事か…この戦争がいかなる規模のものか…わかって言うのじゃな?嵐の中にアリが一匹飛び込むも同じ事…!!何もできず、ただ弾かれて終わりという結果もある」
「どうなるかは関係ねェ、とにかく行きてェ!!──これをどっかで黙ってやり過ごす事なんて、おれにはできねェ!!」
ニョン婆さまは告げる。
現在世界一重要な囚人であるところのエースを救うチャンスがあるとすれば、大監獄に向かうべきだと。
いざ処刑場に連行されれば、海軍大将と七武海がその周りを固める。
……うーん。
ゾロあたりいれば、ミホークさまとくまを懐柔できないかなあ?
あとロビンが青キジを懐柔してー。
エースがドラゴンの実子なら、反乱軍も乱入してー。
じいちゃんが見逃してくれれば……無理かなあ?
しかしもちろん、監獄も警備は厳重な筈。侵入はまず不可能。
「着いてからの事より、着けるかどうかが問題だ!!エースがそこにいる内に着かねェと…!!でっけェオールがあれば…おれ力一杯…」
……船長……(TT)
ほんっとに、兄ちゃん大好きで大事で自慢なんだね……。
最初のビブルカードの異変で、助けに行こうとしなかったのも、「エースなら大丈夫」と信頼してたからだもんね…。
「そんな力技では解決できぬ…これもまた可能性はうすいが…今日まで頑なに断り続けている七武海の強制召集、蛇姫がもしこれに応じてくれれば…それに乗じておぬしを軍艦に乗せることができる」
「軍艦に!?海軍の船があんのか!?じゃ、おれあの女に頼みに行く!!!」
なるほど、蛇姫にトラウマを克服しろってか。それは確かにハードルが高い。
軍艦というと、モモンガの船か。モモンガにはルフィの面が割れてる筈だよなー。
いっそ捕まって、中で牢番をぶっ倒してエースに会った方が早いんじゃないか?
それならエースも怒らないだろう…多分。
さて、そんなこんなでやってきました九蛇城。
いきなり息せき切って現れたのは、ハンコックの侍女エニシダ。
「よかった!今ちょうどニョン婆さまを呼びに行こうと!蛇姫さまが原因不明の病で倒れてしまわれて…!!」
「ええ〜〜〜〜っ!!?今!!?」
床についた蛇姫は、荒い息をつく。
妹たちが側に控えて励まし、ベラドンナが診察している。
ニョン婆さまは、さしあたって「急いでるから話がしたい」と主張するルフィ(鬼か)を外に出した。
蛇姫の症状
・胸が苦しい
・辛そう
・食事一切喉を通らず
試しに、ニョン婆さまが「明日の朝」と呟くと、心臓をつかまれたかのように苦しむ蛇姫。
「…ああ、何という事…!!…何とも場をわきまえぬ…ウイルスめ…!!」
「え!?ウイルス!?」
「何か心当たりでも…!?」
ウイルス…マーガレットが、「男はウイルスを持ってる」とか…言ってたよね…。
「ニョン婆…苦しい…わらわは…死ぬのか…?」
息も絶え絶えに呟く蛇姫に、ニョン婆さまは、いや、かつての女帝グロリオーサは、重々しく答える。
「…ああ…死ぬ…」
バカな冗談はやめて!と激昂するマリーに構わず、ニョン婆さまは続ける。
「先代皇帝も…この病で死んだ…!!先々代も同じだったそうじゃ…。実はわしも同じ病にかかり、国を飛び出し…生きながらえた」
「…!?」
「蛇姫や…わしと共にモンキー・D・ルフィが来ておる。頼みがある様ぞ。話だけ、聞いてやってくれるか?」
姉様がこんな状態の時に何を!と怒り心頭のソニア。しかし、蛇姫は。
「構わぬ…!!聞こう…そなた達、部屋の外へ」
……むくりと身を起こし、立ち上がった。
ニョン婆さまは思う。
(…何たる強運!!モンキー・D・ルフィ!!!まさか誰一人動かせぬこの山を…動かしてしまうニョか!!?)
「何か用…?ルフィ」
こころなしか、セリフまで一挙に可愛いなハンコック…。
「ああ、頼みがあんだよ。お前、病気いいのか?」
「わらわは病になど支配されぬ…!!」
ふたりの会見を、別室で息を殺して見守るソニアとマリーとニョン婆さま。
「今度処刑される白ひげんとこのエースっていう海賊は、おれの兄ちゃんなんだ!!エースを助けたい!!でも海賊船じゃ間に合わねェんだって。お前!!海軍の迎えの船に乗って、おれをエースのいる『監獄』へ送ってくれねェか!!!」
ばん、と、ソニア達が、部屋境の窓を開いた。
「何を身勝手な事を!!!そなた姉様の心のキズを知ってなお、あの忌まわしい土地へ行けというの!!?なんてひどい男!!」
「情けをかければつけあがって、これだから男は!!」
「姉様の堪忍袋も限界よ!!石にしてそこから突き落としてやって!!」
「やっちゃえ姉様!!」
ぎゃーぎゃーと騒ぐギャラリーを無視して、ハンコックは言った。
「七武海の召集に応じろと言うのね…そなたがそれを望むなら」
「わらわは…どこへでもゆきます」
………あの、ハンコックさん……?
ほっぺた、発熱のせいじゃなくピンクですよ?
目が潤んでますよ?
それはあの……ひょっとして……
「よかった!!ありがとう!!これで処刑日前に間に合うぞ!!」
もちろん、ギャラリーはパニック。
「へ…蛇姫が!!中枢に行く事を決意した!!」
「どういう事!?ニョン婆!!!」
ニョン婆さまは答える。
「蛇姫の病は…『恋煩い』!!先代達の死因は『恋焦れ死に』!!」
「東の海には、こんな諺があるという……」
「『恋はいつでも!!ハリケーン』!!!」
以下次号。
……………諺だったのか……。
そうと知れば、サンジさんが諺をつかいこなす、知性的な青年に……見えてこねェなあ(笑)
いやあ、そうなるだろうとは思ってたけどマジにかよ!
ハンコックさんルフィにめろめろかよ!
それにしても、代々の皇帝が男に恋煩いで死ぬとは、えらくロマンチックというか、情熱的な民族なんだなあ。
ニョン婆さまは好きになった男をおっかけて島を捨てて、その男と別れたんだか死別したんだかで戻って来たわけね…。
あと、口調からして、どうもこの国の皇帝は世襲ではないっぽいですね。当代で一番強い女性が皇帝になるのかな。
所長個人的な意見としては、ハンコックさん嫌いじゃないが(むしろ好きだが)、ルフィとくっつくのはなしかなー。
ナミやロビンの立場がないのもそうだけど、今のところはルフィの側から、彼女を特別に思うことができるとは思えない。ルフィとカップルになった場合、どちらも幸せになるルートが見えないというか。
なんかこう…せっかく地獄から生還したんだから、もうちょっと実りのある恋をしようよ、ハンコックさん!
いっそモモンガ中将あたりおすすめだ!
(こっそり)
でもきっと、エース処刑場までに仲間に会えると信じてる(笑)
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